プロローグ

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 バツが悪くなった俺は、誤魔化すように彼女にくちづけた。お世辞にも美味いとは言えない、人体には害さえ有りそうな風味が口の中に広がった。それでも、この味を感じると興奮する。彼女とのくちづけを意味する、唯一無二の味だからだ。 「じゃあ、強く握って」 言いながら、再度彼女の手の上から強く陰茎を握った。  言葉が通じたのかはわからないが、意図は伝わったようだ。先ほどより強く擦られて、思わず嗚咽が漏れた。その強い快感に戸惑いながらも、身体は正直なもので、気づけば俺は更なる刺激を求めて腰を上下させていた。まるで何かに憑りつかれたかのように、そこだけは自分の意志とは関係のない器官なのではないかと錯覚するぐらいに、一心不乱に腰を振っていた。
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