無念無想にゃん!

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無念無想にゃん!

「にゃあ、ミーにゃん。  つかにゅことをお尋ねしたいのにゃけれども」 「ほいきた。なにわん?」 「無念無想ってあるにゃろう?」 「無念無想? ああ、アレでしょ?  あらゆる煩悩、雑念を捨て去って、無我とやらの境地に達するって奴よね」 「達すると、どうにゃるのにゃん?」 「さぁ。あんまりそこんところを追求されてもねぇ。  やったこともないし、やりたいと思ったことだって一度もないわん」 「にゃってミーにゃんは泣く子も黙る守護神イオラにゃんの造り子。  イオラの木に咲く花の妖精じゃにゃい。  こんにゃ立派にゃ肩書をお持ちの以上、それにゃりの見識を有して然るべき、  と思うのにゃけれども」 「肩書ねぇ。肩書だけで高い見識とやらが述べられるなら誰も苦労はしないのわん。  幼児が小学生に、小学生が中学生に、中学生が大学生に、大学生が大人に、 『~なんだから判るでしょ? これはどういう意味なの?』って聴いたとするじゃない。  もちろん、悪気じゃなくてね。  本当に答えてくれる。答えを知っている。そう信じて聴いているのわん。  だけどぉ。  果たしてどれだけの数がその期待に応えてくれるかなぁ。 『それはね』って正解を口に出来るのかなぁ。はなはだ疑問なのわん。  話を逸らしたりとかさぁ、『またあとでね』とかいってさ。  すたこらさっさと逃げちゃう、っていう類(たぐい)が結構多いんじゃない?  難しい内容であればあるほどね。  ましてやアタシは幼児。答えろ、っていうほうが無理というものわん」 「そこをにゃんとか。迷える子羊、じゃにゃい、幼児ネコを助けると思ってにゃ。  ミーにゃんとウチは親友同士じゃにゃい。どうか頼むにゃ」 「ふぅむ。親友同士とまでいわれちゃあね。  木で鼻を括ったような態度をいつまでもしているわけにはいかないかぁ。  仕方がない。  ミアン。さっきもいった通り、やったことがないから自信はないけどぉ。  とにかくよ。なんかの悟りを開くのわん」 「にゃんかってにゃんにゃの?」
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