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「待ったぁ。その願い、ボクが叶えてあげるよ」
「だ、誰にゃん!」
「ボクかい? ボクはね。ご覧の通り、
赤と青の毛並みを持つ、白い蝶メガネをかけた謎のネコさ」
「むむっ。にゃんとも得体のしれにゃいおシャレにゃ奴にゃ。
ミーにゃん。ミーにゃんはウチが守るから心配しにゃいでくれにゃ」
「ミアン……。
『赤と青の毛並みを持つ』からして、誰なのか一目瞭然のような気がするのわん」
「ミーにゃん。こんにゃ奴にたぶらかされてはいけにゃいのにゃよぉ」
ぎろりっ。
「それって目が痛いのか、睨みつけているのかどっちかだよね?」
「目が痛かったのは数日前までにゃ。今は睨みつけているのにゃん」
「良かったね。治って」
「気にして頂いてかたじけ……おっとと。
危うくウチまでたぶらかさせるところにゃん。危にゃい危にゃい」
「なぁんか今日はまたずいぶんと疑い深いねぇ。なんかあったのぉ?」
「ふん。ウチはにゃ。その手はくわにゃいのにゃよぉ。
大体にゃあ。いつの間にイオラの木の枝に乗っかったのにゃん!」
「あっ、そうきたか。どうしようかなぁ。
……よぉし。ちょっとばかし、気取ってみるかな」
「にゃにぶつくさいっているのにゃん?」
「なんでもないなんでもない。
それじゃあ、返事をするからねぇ。しっかりと聴かなきゃダメだよぉ。
……ってことで会話は続くのであった。なぁんてね。ごっほん」
「ふふっ。君たちが『無念無想』についての思いを熱く語り合っている間さ」
「にゃ、にゃんと!
疾風(はやて)のように現われたかと思ったら、そこまで知っているにゃんて。
むむむっ。ますますもって、たにゃにゃらにゅ奴にゃん」
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