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「あのさぁ。ちょぉっといいわん?」
「うん? どうしたのにゃ? ミーにゃん」
「ミアンは自分の後ろの出来事だから判らなかったのも無理はないけどぉ。
アタシはとぉっくに知っていたのわん。
爪のかかりが悪かったのか、今日は珍しく三回も滑り落ちてね。
とどのつまりが、
『あそこから上は昇れそうもない』って判断したみたいなのわん。
で、あそこに落ち着いた、ってわけよ」
「これこれ。奴の手中にはまってはいけにゃい。
ミーにゃんはダマされているのにゃん」
「ダマされているって……」
「奴はにゃあ。幻影を見せて、
『自分をたいしたことはにゃいネコ』と思わせようとしているのにゃん。
よくある手にゃのにゃ」
「そうかなぁ。どこをどう見ても、自然な景色だったと思うのわん」
「にゃから、それが奴の手にゃのにゃ。
おにょれぇ。ミーにゃんの純真にゃ心をこれほどまでにいたぶるにゃんて。
もう許せにゃいのにゃ」
びしっ。
「あんたはどこの誰にゃん! 正々堂々と名乗りにゃさぁい!」
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