fd1 父親になりました!

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「お兄ちゃん、ありがとう。」 「あぁ、大丈夫だ。」 あれから泣いていたが溜まっていたのが 全部出たのか先ほどよりスッキリとした顔で お礼を言ってきた。 「お兄ちゃん…。」 「んっ?どうした?」 「美咲、これからどうすればいいの?」 「あぁ~そのことなんだが。」 俺は当初の目的を言うために 美咲ちゃんに問いかけてみた。 「美咲ちゃんが良かったらだが、俺の家に 来るか?」 「えっ!?」 「さっきな、親戚のおじさん達に 話してきたんだよ。」 「いいの…?」 「美咲ちゃんがよければね。」 美咲ちゃん渋った顔をしたが 静かな声で、 「じゃあお兄ちゃんの所にいく。」 「よし!じゃあ決まりだな!」 「お兄ちゃんはどうしてそこまで してくれるの?」 美咲ちゃんがそう質問してきたから 俺は素直に答えた。 「俺の尊敬する人の子供だからかな。」 「それじゃあ、わかんないよ!」 「ははっ!いつかわかるよ!」 (そう大きくなってわかる時がくるはずだ。) ここまではよかったんだが、この後 とんでもない一言を言い出した。 「じゃあお兄ちゃんじゃなくて、パパだね!」 (うん。この子は清々しい顔で 何を言っているんだろう。) 「美咲ちゃん、俺はパパじゃないぞ?」 「違うもん!今日からパパの子供になるから パパだもん!あと美咲ちゃんじゃなくて美咲!」 「わかった、わかった…でも俺まだ独身 なんだけどな…。」 すると美咲は、涙目+上目遣いで 「パパ…いや…?」 「全然嫌じゃないぞ!大歓迎だ!」 「やったーっ!!」 (あんなんやられたら誰も断れないよ…) 「じゃあ美咲?」 「なぁに、パパ?」 「荷物を、まとめたら行こうか。」 「どこにいくの?」 「新しいお家にだ。」 美咲は目をパチクリしていたがすぐに笑顔で、 「うん!じゃあ、準備してくる!」 「あぁ。」 美咲は家の中に走って入ってった。 (こんなことがあるなんな、人生なにがあるな わかったもんじゃないな。) 今日から独り身の俺が父親になりました。
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