fd2 新生活始まります!

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(美咲大丈夫なんだろうか?) 学校をあとにし会社に出社したわけだが、 (ちゃんと自己紹介できただろうか?) (ちゃんと先生の言うこと聞けてるだろうか?) (コケて泣いたりしてないだろうか?) 全くの手付かず状態なのだ。 「はぁ…、前までこんな事思わなかったからな。」 そう考えてると、隣から、 「どうした涼太、溜息なんかついて?」 「真司か…」 こいつの名前は中岡 真司(なかおか しんじ) ぱっと見優男っぽく、イケメンなのだが、 「まぁた合コンで女の子持ち帰り できなかったんだろー!?」 そう、こいつは女好きでバカなのだ。 「お前と一緒にすんじゃねぇよ。」 「そんな辛気臭い顔して、お兄さんに 話してみな。」 真司はニヤニヤしながら、こいよーみたいな 行動を取り始める。 (うぜぇ…、でもこいつになら話してみるか。) 「心配事ができてな。」 「なんだよ、心配事って?」 「いや…美咲が…」 そこまで言うと、真司が顔を近づけ、 「はぁ!涼太、彼女できたのかよ! どんな子?胸は大きい!?」 「うるせぇ!あと顔が近けぇ!」 「どんな子なんだよー?」 俺にしがみつき、真司は項垂れる。 「彼女もなにも、俺の娘の話だぞ。」 俺がそう言うと、真司は俺の肩に手を置き、 「はぁ、涼太……… 病院ついてってやるぞ。」 「殺すぞ?」 「だって、お前独身だろ?」 「いろいろ、事情があって親戚から 引き取ったんだよ。」 「なんだよ?事情って。」 「話すと長くなるから、昼休みまで待て。」 「わかったよ。」 真司はそう言うと自分のデスクに戻っていく。 (さぁて、俺も仕事やりますかねー。) そう思い、俺もデスクへと体を向ける。
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