fd2 新生活始まります!

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「お前はちゃんと父親やれてるよ。」 真司がそう言い、俺は聞き返す。 「はっ?」 「だーから、やれてるって言ってんだよ!」 「なにを根拠に…。」 「なんでって、お前引き取ったばかりの子を そこまで心配するか?」 「それは人として…」 俺がそこまで言うと、真司は話を遮り、 「だからって、美咲ちゃんがいなくなって、 汗だくになりながら探したり、今日だって学校 連れてって、仕事が手につかないくらい 心配して、そんな奴に父親やれてないって 誰も言わねぇよ!」 真司は続ける… 「だからそんな事言うな。お前のこと父親と 思ってる美咲ちゃんが可哀想だろ!」 俺はバカだ。美咲があんなに俺のことを パパって呼んで、笑顔を見せてくれる。 それなのに… 「真司…。」 「なんだよ?」 俺は頭を下げ 「ありがとな。」 「へへっ、気にすんな!」 俺は良い友達を持った、そう思ったのだが、 「なぁ涼太?」 「なんだ?」 「今の俺……… ちょーカッコよかったんぢゃね?」 「死ね。」 「なんでっ!?」 本当にこいつは… 「人の感動を返せ!バカ、アホ、真司!」 「おい!真司は文句じゃないだろ!?」 「文句だらけだよ!」 いつものアホな真司に戻ったのだが 「でも、スッキリしただろ?」 「まぁな…」 俺は照れくさくて、横を向きながら答えた。 「うーし!昼休みも終わるし、 仕事に戻りますか!?」 「もうそんな時間か?」 「あぁ、午後はちゃんと仕事しろよ。」 「うるせー、お前もミスして部長に怒鳴れるなよ。」 そう喋り、笑いながら俺たちは仕事に戻る。 (ありがとよ、真司。お前は1番の親友だよ。 照れくさくってぜってー言わないけど…。)
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