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「ただいまー。」
俺が玄関を開け、声をかけると
奥からトタトタと足音が聞こえ、
「パパ~♪おかえり!」
「美咲、ただいま。」
つい数週間前まで無かったこの会話は
今では当たり前になっている。
「美咲、お腹すいたか?」
「うん!美咲お腹ぺこぺこ!」
「よーし。じゃあお風呂入ったら
美味しいごはん作ってやる。」
「やったー!!」
美咲と一緒にお風呂に入り、
ご飯を作り始める。
「~♪、~♪。」
俺が料理をしながら、鼻歌を歌ってると、
「パパ~?」
「どうした?」
「なんか今日は嬉しそうだね。」
(そんな風に見えたのか。)
「あぁ、いろいろいい事があってな。」
「ふぅーん。でもパパが嬉しそうだと
美咲もなんだか嬉しくなってくるよ!」
屈託のない笑顔で俺を見て、美咲は言う。
「あぁ、俺も美咲が笑顔で居てくれたら嬉しいよ。」
「へへー♪」
(本当、この子の父親になってよかったな。)
俺は昼に真司と話したことを思い出す。
(真司、サンキューな。)
そうこうしてる内にご飯が出来た。
「じゃあいただきます。」
「いただきまーす!」
俺はビールを飲みながら美咲の話を聞いていく。
「今日ねお友達ができたんだぁ!」
「ほんとか?よかったな。」
「うん!遥ちゃんっていってとっても
可愛い子なんだよ!」
「そっかそっか。」
美咲は今日学校であったことを
楽しそうに話してくれた。
(これはいらない心配だったかな。)
ふと俺は夕方買ってきたやつを思い出し、
「美咲ちょっと待ってろ。」
俺は自室にあるカバンから包装された袋を
取り出し、美咲に渡した。
「パパこれなにー?」
「開けてみな。」
「うん!」
包装を開けて、袋の中を美咲は覗く。
「パパ、これって…。」
俺は笑いかけ、
「俺からのお祝いだ。」
そこに入っていたのは、昨日美咲が見ていた、
ウサギのストラップが入っていた。
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