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「パパ…。」
「美咲にお祝いの一つもなかったからな。」
俺がそう言うと、美咲は泣きながら抱きついた。
「グスッ…ありがとう。」
「あぁ、もう遠慮なんかするんじゃないぞ。」
「うん…。」
「可愛い顔が涙でグシャグシャじゃないか。」
俺はティッシュを手に取り、美咲の鼻を
かんであげる。
「はい、チーン。」
「チーン!」
「それはカバンでもなんでもいいから、つけときな。」
「うん!」
(こんなにも喜んでくれるなら、買ってきてよかったな。)
「パパ!!」
「うん?」
美咲は笑顔で、
「大好きだよ!」
「俺もだよ。」
「へへー♪」
最初は父親になる自信なんてまったくなかったが
美咲の為にも頑張って父親やろう。
俺は心の中でまた強く決心した。
「さぁ美咲、ご飯食べるぞ。」
「はぁーい。」
「ちゃんとピーマンも食べるんだぞ?」
「パパが食べてくるんでしょ?」
涙目で訴えてきたが、
「だぁめ。ちゃんと食べないと、大きくなれないぞ。」
「えー…。」
美咲が不満そうにしてるが、
「じゃあさっきのウサギさんは没収だな。」
そう言うと、
「美咲、残さず食べる!」
勢いよくご飯をかきこんでいく。
「こらこら美咲。ちゃんと噛んで食べなさい。」
「わかったー。」
こうして今日も我が家は幸せな時間が過ぎています。
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