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今俺の前で美咲は正座をしていて、
「美咲？」
「な、なぁに？」
「いつひろってきたんだ？」
俺がそう聞くと、
「先週、公園で拾ったの…」
(確か美咲がご飯食べなくなった時だな。)
「だからご飯食べなかったのか。」
「だって、ご飯がなかったから…」
「体のどこかが悪いと思って、心配したんだぞ。」
「ごめんなさい…。」
美咲は泣きそうな顔で落ち込んでいる。
そうとは知らずに、猫は鳴き続ける。
「ニャー。」
俺は困って、
「さて、この子をどうするか？」
俺がそう考えてると、
「飼ったらだめ？」
美咲はそう言うが、
「ここのマンションはペット禁止なんだよ。
だから元いた場所に置いてきなさい。」
「えっ…。」
俺がそう言うと、美咲はもっと泣きそうな顔になった。
「しょうがないだろ、飼えないものは
飼えないんだから。」
「でも…。」
「美咲、その子にだってパパやママが居て、今頃探してるかもしれない。だから元いた場所に戻しといで。」
「うっ…うぇぇぇん。」
美咲はついに泣き出してしまった。
「美咲？泣いてもしょうがないだろ。」
「だって、だって…。」
「美咲だってパパが亡くなった時悲しかっただろ？
だから、その子の両親も居なくなって悲しんでる
かもしれないぞ？」
そこまで言うと美咲は、
「わかった…」
泣きながら、玄関へ向かい元いた場所へ
子猫を戻しに行った。
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