fd4 家族が増えて引っ越しをする、そして…

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あれから数日がたったのだが、 「美咲、お風呂沸いたぞ。」 「うん…。」 美咲は二つ返事でトボトボと 歩いて行く。 (まだ、落ち込んでるのか。) 余程飼えなかったのがショックだったのか 全くと言っていいほど元気がない。 「パパお風呂空いたよ…。」 美咲は静かに部屋に入って行く。 「はぁ…。」 (どうしたものかね。) 俺はお風呂から出て、眠りにつく。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「美咲、遅刻するぞ。」 「行ってきます…。」 美咲を見送って俺も会社へ向かう。 「はぁ…。」 「どうしたんだよ?溜息なんかして。」 「真司…、ちょっとな。」 俺は美咲の事を話した。 「飼ってやればいいじゃん。」 「いや、そうは言ってもペットダメだし。」 「美咲ちゃんは、その猫と自分を 照らし合わしたんじゃねぇの?」 「……。」 「だから拾ってきたんだろ。」 「美咲…。」 俺の中で何かが吹っ切れた。 「しょうがねぇな。」 「おっ!元気出たか?」 「あぁ、サンキューな。」 俺がそう言うと真司は、 「おう!」 笑って返事をした。 「さぁてと、仕事早く終わらして帰りますか。」 俺はデスクに体を向けて仕事をやり始める。 ーー夜ーー 「美咲?」 「なぁに?パパ?」 「ちょっとリビングおいで。」 俺は美咲をリビングに呼び、一度自室に戻り、 またリビングに戻る。 「あっ!!」 俺が美咲に手渡す。 「ちゃんと、世話するんだぞ。」 「ニャー。」 「パパ?どうして?」 美咲が、俺に尋ねる。 「俺もほっとけなくてな。」 照れ隠しのためにぶっきらぼうに答える。 美咲は笑顔になり、 「パパ!ありがとう!」 俺は美咲の頭を撫で、 「ちゃんと責任を持って育てろよ。」 「うん!」 (さぁてとまだやる事は山積みだな。)
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