fd1 父親になりました!

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『亀島駅~亀島駅~』 ミーンッ!ミーンッ! 「あっつ…、まだ5月だってのにっ。」 しっかし、昔来た時と全く変わらないな。 親父に連れられて、おじさんがここまで 迎えに来てくれたっけ。 俺がそう思っていると、”プップー”ガチャ! 「涼太、久しぶりだな。」 「あぁ、親父も元気にしてたか?」 「まぁな、じゃあ時間もないし行くか。」 「そうだな。行こうか。」 俺は親父の車に乗り込み、おじさんの家に 向かった。 ~赤井家~ 「おばさん、お久しぶりです。」 「あら、涼太君じゃない?大きく なったわね。聡も久しぶり。」 「なんだ姉さんも来てたのか。」 この人は親父の姉で、赤井沙姫さん。 久しぶりに会ったけど、 まったく年をとった感じがしないのは 何故だろう…? 「涼太君、それは女性の秘密よっ。」 「ナチュラルに心を読まないでくださいっ!」 「姉さん、息子をあんまり虐めないでくれ。」 「あらっ?ついからかっちゃいたく なったのよ。」 ドキッとするからそういうのは やめてほしいな… 「しかしまぁ、あんな元気だった英樹が 亡くなってしまうなんてな。」 「そうね…、娘だってまだ小学生なのに…」 「そうだなっ。母親もいないのに…」 「んっ?親父、おじさんって子供いたのか?」 「あぁ、確か今年小学校にあがった ばかりだったはずだ。」 おじさんって子供いたんだな。 確かに子供が好きだったから とても大事にしてたんだろ… 「そうそう、あそこに座ってるのが 娘の美咲ちゃんだったはずだ。」 親父が目向けた方に下を向いてる 小学生ぐらいの子がいた。 「英樹が亡くなって、母親もいないから 悲しいと思うわ。」 「そうだな…さぁもう式が始まるから座るか。」 親父がそう言い席に腰をかけ、俺も親父の 隣の席に腰をかけ、式が始まるのを待った。
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