fd1 父親になりました!

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葬式が終わり、庭の方を見てみると 木の下に女の子が立っているのが見えた。 (んっ?あれは確かおじさんの娘の…) 俺はその子に近づき声をかけてみた。 「美咲ちゃんだっけ?初めまして、昔 お父さんにお世話になってたんだけど。」 「………。」 「こんなところでなにしてるの?」 「…親戚のおじさん達が話しがあるから 外の方で待ってなさいって。」 (親父もなんか言ってたな、この子の 親権?の話だっけ。) 「そっか、でももう暑いから家の中に入れば?」 俺がそう言うと、 「いい…、お家の中にお父さんいないんだもん。」 「………。」 俺は何故かこの子がほっとけなく 肩に手を置いて声をかけた。 「じゃあ、話が終わるまでお兄さんと遊ぼっか?」 彼女は少し渋りながらも、 「…うん。」 「じゃあなにして遊ぼっか?」 「かくれんぼがしたい。」 「よしっ!じゃあ、お兄さんが鬼をやるから 美咲ちゃんはどこかに隠れるんだぞ?」 「うん。」 「じゃあ、目を閉じて百数えるぞー。」 俺は目を閉じ、百数え始めた。 「98…99…100!よし探しにいくかな。」 (とりあえず子供が隠れるところなんて だいだい決まった場所だろ。) そう思い、俺は美咲ちゃんを探し始めた。
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