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アークス
「…本当に辞めるのか?」
「はい。もう決めてます」
「…マジか…」
窓の外はどんよりと曇っている
男はたばこの煙をくゆらせ、馳せた思いを僅かに吐露した
「…荒れるな、これから」
「……すみません」
「お前が悪いんじゃねえさ…ちょっと頼りすぎてたからな。穴埋めは大変だが、いつまでもお前におんぶに抱っこじゃ成長しねぇからな」
「ま、なんとかなるだろ」
言葉と裏腹に、表情は外の景色のようだった
「…明日から期待の新人も入るこったしな。気に病むこたぁねえぞ?畦」
「ありがとうございます…」
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