ある雨の日に

3/3
52人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
激しい雨の中、傘もささずにずぶ濡れになって歩く私の心を、あなたとの想い出がすり抜けて行く。 これからは、雨が降ったら、私の事をほんの少しでも思い出してくれるかな。 それとももう、この雨の中、あの人に会いに行ってしまったかな。 あなたの心に、私の居場所なんかないって、気付いてた。どんなに頑張っても、あの人には敵わないことも。 濡れているのは、雨のせい。 頬を伝う雨の滴が、心なしかあたたかいのは、なぜだろう。 あなたが思い出してくれるなら、これからは私も、雨を待つ。 あなたのことを想いながら。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!