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近づくにつれて鬼の気配は強くなる。
村に到着すると鬼は村人達を食べていた。
残った村人達は逃げ惑う。
「酷いな・・・」
私はその光景にとても激怒した。
「鬼共め、こんな惨たらしいことを・・・許さない!」
すると刀を持っている手から何か体に入るような感覚がした。
なんだか懐かしいような感覚。
私はハクから降りると刀を構えた。
「あや・・・やはりお前は」
「ハク!無駄口叩いてないでやるよ」
さぁハク、餌の時間だよ
私は一番近くの鬼に向かって行った。
鬼もこちらに気づきその鋭い爪で私を捕まえようとした。
「遅い」
私は高く飛び上がり爪を避けた。
なんだこの感覚は・・・。
まるで鬼共がゆっくりと動いているように見える。
私は着地と同時に鬼の首を切り落とした。
すると鬼たちは私の存在に気づきゾロゾロとやって来た。
「どんなに居ようとお前らは所詮虫けらだ。相手してやるから来い」
鬼たちは私の挑発に乗り、襲いかかってきた。
「遅い遅い、どいつものろまだな」
私は次々と首をはねていき辺りには鬼の死体が転がっていく。
それを見た残りの鬼たちは森へと逃げていく。
「待て!逃がすか!」
すると目の前にはハクが現れた。
「あや、深追いはするな」
「邪魔するな、御主人の言うことが聞けないのか?」
「お前はあやじゃない、誰だ」
「ちっ時間切れだよ」
すると私の体から何か抜けていく感覚がした。
「・・・ハク」
手や服を見る鬼の血で真っ赤になった自分がいた。
顔を上げると物陰からこちらを見る村人達がいた。
「お、お、お前も鬼だな!」
「え、違う私は」
「鬼はもううんざりなんだよ!お前も早く出ていけ」
「そうだ出ていけ!この怪物め!」
村人達は私に向かって石を投げてきた。
「貴様ら、誰が助けてやったか思い知らせてやる!」
するとハクは村人達の方へ走っていった。
「ハクやめて!」
「だが・・・」
「いいの、ここはとうぶん鬼は出ないと思うしさっさと行きましょ 」
ハクは村人を一睨みすると私の元へと戻ってきた。
私はハクに跨り村を去った。
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