1人が本棚に入れています
本棚に追加
ここは国で2番目に大きい城下町、逢坂。
全国の物、食、人が集まる。
朝から夕方まで人が途絶えることがない町。
それは、まだ彼女が自分の運命に気づく前の話である。
街の一角に1件のおにぎり屋があった。
「あやちゃん、うめのおにぎりくれないか?」
常連のおじさんがその店の娘に声をかけた。
娘の名は国宮あや、このおにぎり屋の主人の娘である。
「はーい、まだ工事なんですか?」
あやは慣れた手つきで梅のおにぎりを包んでいく。
「あぁお国も必死みたいでさ、さっさと作れとご注文でな。こっちの身にもなってほしいよ」
常連からお金をもらい、おにぎりを渡す。
「・・・あれ?いつもよりおにぎり多くないか?」
「新商品で、マグロと酸味のある外国の調味料を混ぜた具を入れてます。サービスしますので感想聞かせえくださいね」
「おぉ、美味そう!ありがとう!」
そう言うと嬉しそうに去っていった。
最初のコメントを投稿しよう!