第零鬼 おにぎり屋

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ここは国で2番目に大きい城下町、逢坂。 全国の物、食、人が集まる。 朝から夕方まで人が途絶えることがない町。 それは、まだ彼女が自分の運命に気づく前の話である。 街の一角に1件のおにぎり屋があった。 「あやちゃん、うめのおにぎりくれないか?」 常連のおじさんがその店の娘に声をかけた。 娘の名は国宮あや、このおにぎり屋の主人の娘である。 「はーい、まだ工事なんですか?」 あやは慣れた手つきで梅のおにぎりを包んでいく。 「あぁお国も必死みたいでさ、さっさと作れとご注文でな。こっちの身にもなってほしいよ」 常連からお金をもらい、おにぎりを渡す。 「・・・あれ?いつもよりおにぎり多くないか?」 「新商品で、マグロと酸味のある外国の調味料を混ぜた具を入れてます。サービスしますので感想聞かせえくださいね」 「おぉ、美味そう!ありがとう!」 そう言うと嬉しそうに去っていった。
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