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1日かけてついた場所は逢坂の端の端。
人里離れ獣道を進むとそこには岩のくぼみに作られた小さな祠があった。
「ここよね・・・」
祠は丁度満月の光に照らされ、祠の中にある物に反射していた。
祠を開けるとそこに布に包まれた何かが2つ置かれてた。
ゆっくり布をはらうと形の変わった剣が2本出てきた。
あやはそれをよく見ようと月の光に当てた。
「・・・鮭?」
その瞬間目の前には見たことない化け物と戦っている兄と大きな動物の姿が見えた。
「お兄ちゃん・・・」
刀に反射した月の光がハクに当たる。
するとハクは苦しそうに息をし始めた。
「ハク、大丈夫?」
あやが近づくとハクは後ずさる。
そして森の奥へと走っていった。
あやもその後を追う。
道無き道を進むと広い場所に出た。
そこには小さな泉があり、白くて大きな九尾の狐が泉の中央にちょこんと座り空を眺めていた。
「私が何故あやの元にいるのか思い出したよ」
そう言うと振り返りあやの方を向いた。
声や大きさは違えどそれはあの小さなハクだとわかった。
「俺は単なる狐じゃない。国宮家、そしてあやを守る守護獣、九尾の狐、ハクだ」
その姿は満月の光に照らされて白い毛が輝いて見えた。
「おかえり、鬼斬屋の姫」
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