第零鬼 おにぎり屋

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「おにぎり屋?あの、食べる方のでしょ?」 「・・・あやが持っているその刀で鬼を斬るのだ、もしかしてあなたの使命を忘れてしまったのか?」 「使命って何のことよ、それに鬼を斬る?まず鬼って何よ!」 「先程見えただろ、お前の兄が鬼に立ち向かう姿を」 刀に触れた時見えたあのバケモノが鬼・・・。 「その刀は魔力が強すぎて普通の人間ならすぐ取り込まれてしまう、だがお前は取り込まれず現に手に馴染んでるんじゃないのか?」 あやは刀の柄を握りしめる。 たしかに過去に触ったことがあるような感触がした。 「お前は刀に選ばれたのだ、お前の両親、そして兄貴のためにも鬼斬になるのだ」 「鬼斬・・・私にもなれるかな・・・」 「あぁ、あやがなれると思えばなれる」 「・・・わかった、私やってみる!」 そういうと体の奥から何かが湧き立つような感覚を感じた。 「よく言った、早速だが気を抜くな。囲まれてる・・・」 周りを見渡すと木の間から何者かがこちらを見てるのがわかった。 宣言する前より、した今の方が暗闇でも良く見える気がする。 「あれが鬼?」 「あぁ、よく見てるだろ、鬼斬は闇に溶け込み鬼を斬るんだ。夜目がきくんだぜ。待ってろ引きずり出してやる」 そう言うと白い毛が闇へと溶け姿が見えなくなった。 見えなくなったかと思うと口に何かを咥えて戻ってきた。 咥えてるそれはバタバタと抵抗しているようにも見えた。 するとあやの前にそれの落とした。 それはフラフラと立ち上がりあやに襲いかかって行った。 「あや、その刀で斬れ!」 あやは目をつむり持っている刀を振り下ろした。 顔に生暖かい何かがかかる。 目を開けると頭が割れた鬼がいた。 目の前はその鬼の血で赤く染る。 ハクはその鬼を咥えるとバリバリと骨を砕き食べてしまった。 白い毛が赤く染る。
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