07:段階を踏んで欲しいっていう乙女心

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「カンバレヨー」 教室を先に出ようとした私に応援する気ゼロな可奈が一応の声掛けをしてくれ、そんな可奈の隣で愛ちゃんが「頑張れ」とニコニコ手を振ってくる。 やる気無くお見送りしてくれた可奈には「うん」と頷き、応援する気満々の愛ちゃんには「じゃあね」と手を振りかえしたあと待ち合わせ場所へいそいそと向かう。 そう、瀬戸くんと約束してた明後日になったのだ。 浮かれ気味に待ち合わせ場所へと向かうと、瀬戸くんらしき姿が小さく見えてきた。どうやらいつものメンバーもいるみたい。 まぁそれは別に構わないんだけど、ただ─── 「涼真はいっつも、そう。隠す」 「隠してない。今、報告した」 「報告じゃない。今のはバレたっていうのが正解」 (うわー) 彼らに近づけば近づくほど皆藤くんと彼女が揉めている声が嫌でも聞こえてきて、場の雰囲気が悪いってのが分かってくる。 声、掛けずらいんですが。 戸惑いつつも近づいて行くと、ベンチに座ってどーでもよさそうにカップルの喧嘩を見学してた瀬戸くんが引き気味に歩いていた私に気づいたらしく、苦笑いで『おっ…』と手を振ってきた。 それに手を振り返しそばに駆け寄ってから出来るだけ小さめの声を出す。 「あのごめん。待たせてた?」 「全然、俺が早かっただけ」 私が現れたからか細見さんが喋るのを止め、静かに皆藤くんから目をそらして沈黙する。 黙った細見さんに連動するように皆藤くんがこっちを見た。
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