25人が本棚に入れています
本棚に追加
《天の川の娘》
煌めく星を軽やかに踏み
宇宙の大河を渡る蒼い靴
緑の黒髪には月長石の簪
移り気な瞳は魂そのもの
隕石の煉瓦で築いた家に
太陽光を詰めた釣り灯籠
銀河の鈴虫の歌に合わせ
弾む足取り揺らめく裳裾
年に一度の逢瀬だなんて
何処ぞの姫君だけで十分
星の物語に名を残すより
自由な風と踊ってたいわ
瞬く光の奔流を纏い
誰よりも眩く美しく
天の川の娘は在りて
真空の闇をも惹き付ける
遠い地上からは見えはしない
けれど私には貴方が見えるの
短冊に託した夢を叶えたなら
どんな季節でも逢いに行くわ
たゆまぬ努力の結晶が輝かす
瞳こそが隣に立つに相応しい
たおやかなる繊手を取る事を
許される幸運はさて誰の手に?
最初のコメントを投稿しよう!