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《大宇宙祭囃子協奏曲》 Hello Mr.憂鬱なる日々 花瓶の薔薇も枯れてしまった 新しい花を贈る前に 祭で沸き立つ今日という日に とびきりの音楽は要らないかい 裏参道の外れに店を構える いかさま占者の指差す方へ 御輿の休憩見て見ぬ振りで 誰も居ない雑木林の奥まで 俗世の喧騒も遠ざかる頃に 神のみぞ知る天の扉が開く 鳴り物一つチケット代わりに 万象交響楽団の公演へ御招待 ソリスト太陽 フレアを起こし 星座の乙女も竪琴を爪弾く 軌道の五線譜に天体が記す曲を お祭り騒ぎで奏で合うのさ 純然たる虚空の指揮者よ タクトを振るう調子も上々 漂うデブリも饒舌な楽器さ 大いなる宇宙を吹き抜ける風よ 万物の音を集め響かせて 壮大なる祭囃子を全ての時空へ 清濁併せた万象の奏でる音楽 その心の音色も乗せて広がる Hello Mr.晴れやかなる手 特別な時を堪能し尽くし 迷わず家には帰れたかい?
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