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友太はホームで猫に囲まれて電車を待ち、最後尾の車両に乗り込むと、それとなく涼子と同じ座席の端っこの方に座った。すると猫が何匹か友太の足元へ歩み寄り、身体を擦りつけて甘えた。
『微かに感触を感じるけど、幽霊猫なんだよな』
さっきの黒猫は涼子の隣にちょこんと座り、他の猫は座席まで飛び乗って友太に戯れた。
「へー、もう手なずけたんだ?」
涼子が挑戦的な感じで話しかけ、黒猫は冷静に成り行きを見守り、他の猫はどうでも良さそうに戯れ合っている。
「いや、そんなんじゃないけど」
「で、何しに来た?」
「あの場所に行くんだよね?」
「まー、そうだけど。猫が見えるからって関係ないから。構わないでくれる?目障りだからさ」
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