サマー・バレンタイン

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僕はいまだかってこれ以上の美しい土下座を見たことがない。 一様に腕を組んで睨み付ける女子たちを真正面に、土下座し続ける高瀬。 いつのまにか担任の教師(日本人、42歳)も教室の教員用の椅子に腰掛けこの様子を眺めている。 ※余談だがこの教師は、この事件を眺めていたクセに、この件には一切触れず無視を決め込み、その後卒業間近に、「君たちのおかげで、介護の仕事に転職しようと決心できたんだ」となんとも失敬な暴言を吐き、女子様たちから「三年間、私たちの介護をしたつもりだったのか!!!」と罵倒されたミラクルティーチャーだった。 僕は、土下座する親友をひたすらチラチラ横目で眺めるしかなかった。 女子様が怖すぎて、僕は保身に全力であった。 連合軍の集中砲火を浴びて、高瀬は顔を真っ赤に蒸気させて涙ぐんでいたが、それでも何も言わなかった。 僕はウチに帰り、大好きな夕方クインテットを見た後、悔しさのあまり泣きに泣いた。
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