インタビュー

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ゴライアス またの名をゴリアテ 旧約聖書に登場する巨人兵士の名前 現代  東京 「いらっしゃいませ~」 昔ながらの小さな喫茶店 4人掛けのテーブルに座りノートパソコンのキーボードを叩く男 テーブルには半分飲みかけのアイスコーヒー、火が点きっぱなしのタバコ、ガラパゴス携帯、レポート用紙、旧約聖書からメモ帳などなど、惜しみなくスペースが存分に使われテーブル上を独占していた。  そんな中 ある紛れた一枚の白黒コピー用紙がチラリと覗かせていた それは… 発掘現場らしき場所に映る2人の白人男性と人骨らしき物が写された写真のコピー その人骨は一目で分かる、あまりにも不自然で異様な物だった… 何故ならとにかくそれはデカいのだから 骨格構造からして人間の物だと思われるのだが… それは明らかに通常の人間サイズとは思えない大きさ 頭蓋骨から足指の骨までキレイに残され、発掘されたその骨は推定でも4メートルはくだらない… 年代、場所も不明なこの一枚の写真 巨人と呼ばれる生物の存在を記した唯一のUMA写真と言えよう 店内にゆったりと流れるジャズミュージック 先程入店してきたお客にマスターがおしぼりと水を置き、注文を取るその横で男がキーボードを叩いていると カラン カラン ベルが鳴り、新たな客が入店してきた。 「いらっしゃいませ」 短髪に無精髭を生やした男 テーブルに座る男がそれを見るなり、パソコンの打ち込みを止め、手を挙げた。 男はそれに気づき席に着いた。 「鹿島さんですか?」 「はい」 軽く立ち上がり会釈を交わした2人 「どうぞ どうぞ お掛けになって下さい あ… すいません 散らかしちゃって」 乱雑した書類を片付け、タバコの火を消す男の前に座った鹿島の元にマスターが水とおしぼりを持ってきた。 「ご注文お決まりですか?」 「え~と じゃあアイスコーヒーで」 「アイスコーヒーですね かしこまりました」 鹿島が水を一口含み、おしぼりで手を拭いた。 「すぐここ分かりましたか?」 「はい」 「lineではよくやり取りしてましたが お会いするのは初めてですね 改めまして初めましてです 溝口です」
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