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2階の部屋にあるベッドに横になっている夏鈴と向かい合わせになるように浮いている者の名はアマノウズメノミコト。
天岩戸伝説で名を馳せた芸能の神である。
幼少時より、夏鈴の元を訪れては、神にふれあうことに慣れさせた。
しかし、半神であることの意味やいきさつは一切話さなかった。
その原因は、夏鈴のまとっている肉体にあった。
夏鈴の肉体は、半神としての力を発揮するには十分すぎるほどの機能をもっていた。
しかし、その機能が緻密で繊細であるがゆえに、そこに乗っている夏鈴の心は儚かった。
人としての居場所をもたなければすぐにでも崩壊してしまう心は、夏鈴を育む神からすると丁寧に扱わなければならなかった。
神に慣れさせつつも、人として生きているという実感をもたせることが重要なことだった。
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