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『Excellent.
It's so my master.』
「あはは、ありがとう」
胸部のコアへ、素直に感謝を伝える。
このコアはリインフォースメント・アーマー・システム・フェイト、即ち仮面ライダーフェイトの起動端末であると同時に、端末全体の機能を統括する人工知能そのものだ。
『Do you disarm?』
「うん、お願い」
『OK.』
スーツが解かれ、拳大もあったフェイトのコアはビー玉くらいの大きさにまで縮まる。
同時に、身に付けやすい指輪の形状へと変化した。
「お疲れ様、ゆっくり休んで」
『Thank you.』
私は指輪形態のフェイトを装備した後、指を鳴らして人払いの結界を解く。
結界とは、先の怪物の排除を隠密に完遂するための簡易魔法だ。
怪物の存在を世間に知られないようにとの事だが、人間の情報収集力は凄まじい。既にネット等の一部では噂として怪物の存在が広まりつつある。
「やれやれ、この隠密活動もいつまで続く事やら」
独り呟いて溜め息を吐き、私は早速人通りの増え始めたこの場を歩き去った。
◆◆◆
何処にでもあるようなマンションの一室、それが私達の活動拠点だ。
如何にもな施設や豪邸を期待していたのなら申し訳ないが、我々とて遊びでやっている訳では無い。何より隠密活動ゆえ、経済的なバックアップも無いのである。
「おかえり。どうだった?」
手を振って私を迎えたのは、システム・フェイトの製作者であり此処のリーダーともいえる女性。
名前はグレイス=ヴィクトリア。23歳。
生まれはイギリスだが物心付く前に日本へ移住しており、そのためか英語と日本語の両方を喋る事が出来る。
彼女との出会いは割愛させてもらうが、私が仮面ライダーをやる切っ掛けになった人物だ。
「ただいま。どうだったも何も、いつも通りだよ」
「そっか…お疲れ様」
「ありがと。フェイトは此処に置いておくから、メンテナンス宜しくね」
「あいはーい、お任せあれー」
グレイスの座っているデスクの上に指輪を起き、私は浴場へと向かった。
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