オレ。 親友。 贖罪。

2/6
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
高校一年の冬、小学校時代から仲良くしていた友人が突然、死んだ。 遺書は残されていなかった。 理由は誰にもわからなかった。 ……おそらく自分以外は。 受験に成功して、新生活がはじまって。 ちょっと調子にのって、浮かれてた。 同時に、古くからの付き合いだったけど、自分より勉強できないと踏んでた友達が、同じように合格したのを知って、卑屈な感情を抱く。 顔には出さなかったけれど、妬みのようなものが、じわじわと心の底に湧いてくるのを感じた。 こっちは必死で頑張って、ぎりぎり合格を勝ち取ったんだぞ? オマエ何なの? みたいな。 すぐに、他に仲いい友達がたくさんできて、奴とは、ちょっと距離を置くようになった。 大っぴらに悪口言ったり無視したり、そんな子供っぽい嫌がらせをするつもりはなかった。 人にバレないよう、もっと地味に陰険な方法で。 軽くイジるとか、からかうとか。 遊びに誘わない。 グループトークから外して。 こっそり陰で笑う。 それくらい。 相手は、もともと穏やかで大人しい性格。 気も強くないから、反抗してこないのも最初からわかってた。 体も細くて小さい。 スポーツも苦手。 体育の授業をさぼってることもしょっ中だし。 それに言動がマイペース。 人と感覚がズレてるようなところもあったから、何となく大丈夫な気がしてた。 次第に孤立していく姿を、遠くから眺める。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!