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その予想が正解かを確認し、その非道さに言葉も出ない。
ノエルのところへも顔を出した。
指輪を渡し、少し目の下に疲れを滲ませているノエルを励ましつつ、永遠なんてないんだと囁いた。
ずっとなんてない。いつか人は死ぬし、突然消えてもそれは死と同じだと。
本当に愛していて、本当に愛されていて、だけどそこに神の意志が介入したというのなら、それは果たして、本物と言えるのか、と。
神に言われ、愛していると思い込んでいるのではないか。彼女は違う世界の人種で、お前とは違う。
願ったというが、それは本当に叶っているのか。
ノエルは俺の大好きな水色の瞳から涙を落とし、どうすれば、と嘆いた。
だから俺は、悪意も何もなく、理不尽な暴力に加担した、無垢なノエルに囁く。
愛する者の命を奪い、そうして一緒に、逝けばいいと。
そうすれば、そこで彼女がそれを受け入れるのならば、その愛はきっと……本物だ、と。
大司教はノエルを入れて、五人しかいなかった。
ノエルはあの容姿で大司教となったようで、行事などで国民の前に立つ、いわゆる客寄せだ。
禁書庫や各大司教の私室をあさり、召喚儀式の経緯を記すものも調べつくした。
聖堂にある水晶へ魔力を注ぐ神官たち。
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