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変わらない友達、変わらない日々
Uno side
「「「行ってらっしゃいませ、実彩子お嬢様。」」」
玄関まで続く長い廊下に、使用人の人たちが道を作りお辞儀をする。
その道の真ん中を私が歩き、その少し後ろを隆弘が歩く。
毎朝見る、いつもの景色。
大きなドアが開けば、門まで続く長い道。変わらない景色に正直飽きた。
そんな気持ちで、のろのろ歩けば、もう少し早く歩けよ、と後ろから小さな声がする。
目の前には、大きな車。隆弘がいつの間にか前に来て、そのドアを開ける。
-お嬢様、今日もお気をつけて。行ってらっしゃいませ。
「はーい、行ってきまーす。」
いつもと同じ、変わらない毎日。
宇「隆弘、今日の入学式、パパが来るの?」
答えなんてわかりきっているけれど。
西「いえ。ご主人様は、アメリカにいらっしゃるので本日は浦田が出席する予定になっております。」
やっぱりね…。
いつもそう。いつもいつも仕事ばかりで行事なんて1度も来た事なんてないの。
仕事仕事って。
ここ数年、帰ってきたかと思ったらまたすぐに帰っちゃうんだから。
だから私は、少しだけ、両親が苦手なの。
「お嬢様、到着いたしました。」
宇「あ、本当だ。ありがとう。」
学校に着いたみたい。
千晃はもう来てるのかな。
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