第一章

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「あまり人が行かないいい場所があるんだ。」 友船長はそう言って、朝日の方に向かって船を操った。 着いた場所は、いいかどうかは素人の僕らにはわからないが、確かに他の船がいない穴場のようだった。釣果もまあまあ、息子たちは十分楽しめていたと思う。僕ら4人は良い時間を過ごしていた。 天気は良く、波も穏やか。 「腹減っただろ、ちょっと待ってろ。」 友船長は鮮やかな手際で釣った魚を捌き、息子たちは感嘆し、新鮮さに舌鼓を打った。 友船長はさっぱりした親しみやすいやつだ。昔から息子たちも彼が大好きでなついている。 「お前ら彼女いねえのか。魚捌ける男はもてるぞ、俺見りゃ分かるだろ!教えてやるぞ。」 盛り上がっていた。油断していた。
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