第一章

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突如、不規則な急速な流れが現れ、船が大きく傾いだ。振り落とされそうな程の勢いで。 友船長は急いでその場から逃れようと船を操るが、間に合わなかった。 「クジラか!?」 船は真下から突き上げられた。ちょうど皆甲板にいた。友船長は救難信号のため船室に戻ろうと必死だったが、二度目の衝撃で海に投げ出されるのが見えた。 「あっ!友船長が!」 息子たちは必死で船の鉄柵かロープかに掴まっている。 「大丈夫か!離すなよ!」 そう叫んだ直後、僕は船室の外壁に叩きつけられた。 おそらく、その時気を失ってしまったのだろう。そこからの記憶はなかった。
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