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「気のせいでしょ。」
「見たんだって!」
だって、人間であるはずないんです。
駐車場には防犯用に砂利が敷き詰められていて、誰かが歩くと音がするんですから。
・・・因みに、主人は幼い頃「悪魔」を見たとも言っています。
雨の日、窓になにかついている、カブト虫だと思ったが、それにしては大きい、なんだろうと近づくと本当によく映画や絵で見るような、角と大きく裂けた口、長い尻尾を持った悪魔だったそうです。
まあ、色々とあるアパートなんですが、特に危害があるわけではないのでそのまま住んでいました。
そしてまた、新たな体験をすることになりました。
時刻は夜の8時を過ぎた頃、2時間枠の特別番組を見ていました。
ずっとテレビに眼を向けていたのに、ふと後ろを振り向きました。
気になって、とかではなく、勝手に頭が動いた、そんな感じです。
振り向いた先にはリビングとキッチンを仕切る曇りガラスがはめられた引き戸があります。
その扉が横に動いて開いていくのです。
20センチ程度横に動いて扉は止まりました。
「?????」
頭の中はまさにそんな感じ、怖いというよりも「なんだ?」と思って「○○?」と主人の名前を呼んでみる。しかし、返答はない。
まあ、いつも帰る前に電話をしてくるので違うとは思いましたが・・・・。
次に、泥棒ならどうしよう、という不安。でも、足音も玄関を開ける音も全くしなかった。
私は意を決し扉を開けました。
思った通り暗い廊下には誰もいませんでした。
直ぐに主人にメールを送り、こんな事があったけど、扉勝手に開くことあるかね?滑るかなんかして・・(怖いから認めたくない。)
主人からは「あるかもしれない。」(この時、怖がらせるからそう返信したけど、あの扉が勝手に動くとこはありえないと思ったそうです。)
その後もちょくちょくあったのですが、4年後にそこから歩いて15分位の場所にある実家を建て直したのでそちらに引っ越しました。そしてその約1年後にあのアパートが火事に遇ったのを聞いて見に行きました。
以前住んでいた部屋の奥隣が燃えて、周りに広がったようです。住んでいた部屋は私達の後は空室だったみたいで被害はなかったみたいですが、もしあのまま住んでいたら少なからず被害に遭っていたでしょう。
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