拒絶

2/3
前へ
/5ページ
次へ
僕は神社に入れない 怖いからだ 入ろうとすると聞こえてくる 『入るな』 声に気づいたのは小学6年生 神社に入ろうとすると突然の圧迫感 『入るな』 声の先には狛犬 その時からその神社には近づかなくなった しかし、それがきっかけであったのだろうか? それ以降おかしな事に度々遭遇する 川辺で友達と石拾いで遊んだ時の事だ 丸い小石を見つけて拾おうとすると 『触るな』 僕は怖くなり、みんなが集めているのを見てるだけにした その夜、僕は夢を見た 夢の中で僕は寝ている、寝ている自分を見ている 動けない、なにも考えられない すると近くの川から髪を垂らした女がぬーと音もなく水の中から顔を出す 表情は分からない 僕の家はマンションの10階川沿い 女は川から顔を出し僕の部屋を見る ズ……ズ……ビチャン 少しずつ全身が出てくる 髪の長い白い着物の女 僕は目を覚ます 目を覚まさなかったらどうなったのだろう?と思いながら学校に行く その夜 また同じ夢を見る 着物の女がぬーと今度は全身をすぐ見せる 髪で顔は見えないが、こちらを見ているのはすぐわかった ビチャ、ビチャ、バシャーン 着物の女は川に倒れる そのままゆっくりとゆっくりとこちらに這いずってくる バシャ、バシャ、バシャ 僕は寝ている僕と這いずる着物の女をただ見るだけしかできない バシャ、バシャ、ズ…ジャリッ 手が川から出て川岸の石を触る ジャリ…ジャリ…ジャリ 石を触る感覚がなぜだか伝わってくる 目を覚ます その日川で遊んだ友達が高熱を出して寝込んだ 夜 眠りにつく 女は川岸の砂利に立っている そしてまた ガシャン 砂利に倒れる ジャリ…ジャリ…ジャリ…ガサ…ガサ…ガサ ゆっくりと確実にこちらに向かってくる 砂利から草むらをそして土手を登る マンションの敷地に入る 駐車場を這いずる、そして僕の部屋の窓の壁に着く ピタ…ピタ…ピタ… 壁を登り始める 目を覚ます
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加