0人が本棚に入れています
本棚に追加
その日は休みだった
着物の女の夢しか覚えていない
僕は気になって1階の僕の部屋の窓の壁を見る
なにもない
ホラー番組でよく見る手形や足跡、幽霊の痕跡と言えるものは何一つなかった
僕は安心して友達の家に遊びに行った
夜
同じ夢を見る
窓の1階の壁を着物の女が
ピタリ…ピタリ…ピタリ…
タイルの感触が伝わる
2階……3階……4階……
ゆっくりと僕の部屋に近づいてくる
5階……6階……7階……
そこで初めてマズイという感情と恐怖が出てくる
8階……9階………10階……
窓のへりに手がかかる
起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ
僕は必死に寝てる僕に声をかける
だが届かない
へりから髪の長い女が顔を覗かせる
目を覚ます
その日起きると全身下着まで汗だくで心臓がバクバクしていた
学校へ行くと友達が登校していた
休み時間、僕は川の石の話をした、するとやっぱりいらなくなってその日に捨てたと言う
僕は着物の女が夢にでて来ないかと聞く
友達は見たことがないらしい
僕だけのようだ
もしかしたら気にしすぎなのかも知れないと思い、もう考えない事にした
夜
今日も同じだ
だが女は川にいる
すると
ズズズズズズズズズズズズズズズズ
すごい早さでこちらに這いずってきた
今までの遅さが嘘のようだ
マズイ怖いマズイ怖いマズイ怖いマズイ怖い
もう壁に来ている
ペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタ
壁も一気に這い上がる
寝てる自分の心臓がバクバクしている
ピタッガツッ
窓のへりに手がかかる
鍵をかけていた窓がガラッと開く
ヌーーーーと着物を着た女が部屋に這い入る
着物の女は上から見て僕を見る
そして寝てる僕の方に向くと手を伸ばす
ギャアアアアアアアア
僕に触ろうとした瞬間着物の女は悲鳴をあげ消えていった
それ以来着物の女は見ていない
最初のコメントを投稿しよう!