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彼の話によると、彼女は友達が出来ずに一人でブランコを漕ぐのが好きだったそうだ。木の影で見ながら彼女は周りの子がたくさんの子どもたちで遊んでいるのを見て羨ましくなったと思ったそうだ。そして前日の猫やカラスたちのようなことが起きてしまったと起きる日に必ず連絡する。今日もまた彼に呼び出されたのだ。
そしていざ行ってみると、今起きた一部始終を私は見てしまったことになる。話を聞いていたが、正直気味が悪い。
そんな私を見つけるなり、彼女は微笑んだ。
私は怖くなり、公園を出た。すると今まで静かだったのが嘘のように騒がしくなった。パトカーや救急車のサイレンの音。そして人々の話し声。色んな音が散らばっている。
私は自分の行くべき場所に静かに向かった。
事件はそれ以後特に起こらなかったが、この日以降この公園のブランコの使用はしばらく禁止された。でも私の窓から午前二時頃になると、ブランコの漕ぐ音と動物たちの鳴く声と人間たちの笑い声が聞こえてくる。私は何も気にせずに眠りにつく。
揺れ動くブランコが使用された日にはまた誰か死ぬのだろうか。私かもしれない。いや、あなたかもしれない。
揺れ動くブランコはその日、そんな私たちを待っているだろう。
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