揺れ動くブランコ

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それは猫が三匹死んだ十三日後の朝である。テレビにあの公園が映し出されていた。それは紹介とかではない。事件としてニュースに流れたのだ。 『公園のブランコ前で二人の子どもたちが不自然な死を遂げたようです。あっ……今レポーターと繋がりました。レポーターの大橋さん』 テレビ画面に大橋さんという男性が現れる。 『はい、こちらがそのブランコです。状況を説明しますと、子どもたちは朝にこの公園でブランコを遊んでいたようです。その親たちは少し離れたところで話してらしていたそうで……ん?あそこに女性が見えませんか?話聞いてみましょうか?』 カメラマンはカメラを体ごと横に回す。しかしその瞬間……。 『あなたは……』 カメラがその場に落ちる映像とともにリポーターの大橋さんの声。そしてしばらく見ていると赤い血が砂に滲む映像が浮かぶ。そして白いハイヒールが現れたかと思ったら、その映像は途絶えた。 『すみません。映像が乱れました……』     
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