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「ねぇ、ミアン」
「おっ、ミーにゃん。どうしたのにゃ?
ずいぶんと早いお帰りじゃにゃいの。
にゃにかあったのにゃん?」
「なにかあったもクソもないわん。ミアンのその身体……」
「身体? ああ、これにゃん?
ちぃとばかし、暑くにゃってきたじゃにゃい。
にゃもんで脱いでみたのにゃん」
「脱いでみたって……」
「でもにゃ。また暑くにゃってきたのにゃん。
しょうがにゃい。どれ」
ぬぎぬぎっ。
「うわぁっ。生肌まで脱いじゃった……うぉっ!
な、なんなのこれ。また中から毛皮が出てきたのわん」
「うぅん。まにゃ暑いのにゃあ」
ぬぎぬぎっ。
「ええっ! またまた毛皮を脱いで生肌を出してきたわん」
「うぅぅん。あと一枚ぐらいかにゃん」
「おおっ! またまた生肌を脱いで、毛皮を出してきて、
……と思っていたら、またまたまた毛皮を脱いで生肌になったのわん」
「ふぅ。これくらいがちょうどいいのにゃん。にゃら最後に」
「最後に? ええと、生肌を脱いで……、うんうん。毛皮の姿に戻ったのわん。
やっぱネコはこの姿じゃなくっちゃね。見慣れているから、見ていて落ち着くもの。
ねぇ、ミアン。一体身体の中に何枚着込んでいるのわん?」
「さぁにゃ。数えたこともにゃい。
ところで、ミーにゃん」
「はい?」
「こうやって毛皮の三枚を立たせて、と。
さぁここで問題にゃ」
「問題? いきなりなのわん」
「本物のウチはどぉれにゃん?」
「あのね……。今、アタシと喋っているミアンなのわん」
「ぴんぽぉん。正解にゃ。
にゃら、ご褒美に、ありたっけの毛皮をあげるのにゃん」
「えっ。ありったけのって……うおぉぉっ!」
ばさばさばさばさばさっ!
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