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ある夜、私は、会社の同僚と飲みに出ていた。
いわゆる花金ってやつだ。
まだまだ若い私だが、花金という金曜日には、目がくらんでしまう。
やっぱり私は、お酒が好きなのね?
そして..........
その夜、飲み会の帰りは、12時を回り、深夜になってしまった。
駅から家までの距離は10分。
駅からの帰りは、いつも徒歩だ。
いつも通り、音楽を聴きながら耳にイヤホンをさして、
お気に入りの洋楽でも聞きながら帰る。
さて、そろそろ二曲目に入り、気分は上々の私は、
今にも踊りだしそうな気分で帰っていた。
今日の飲み会は本当に楽しかったのなあ。
そういえば、あいつら付き合ったんだっけ?
私も彼氏ほしいなあ、そろそろ。
たった10分の帰り道でも考え事することは楽しい。
いろいろなことを妄想する。
そのときだった。
前から歩いてきた男が
「今帰りですか?」
「よかったら、ごはん食べに行きますか?」
と声をかけてきた。
またいつものナンパか。。
と思いながら、
「いや、今日、急いでるのですいません。帰宅します」
と一言。
たいていのナンパは、そこで引く。
そしてしつこいナンパは、「いや!それでも!」という。
しかし、彼は違った。
「家まで送ります。」
何を言っているんだこいつ。
家までってもう目と鼻の先だよ、私の家は。
「いえ、大丈夫です。もう家近いので」
それでも私の前から離れない彼。
そして突然
手をつかんだ。
「手、つないでくれませんか」
その瞬間に気持ち悪さのバロメーターは、MAXである。
本当に気持ち悪い。こいつはなんなんだ。
「いや、離してください」
ぎゅっと握りしめられる手。
そして一言
「この手、離さないから。
一緒に帰ろう」
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