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次に連れて来られたのは廃墟だった。
「ちょっと幽霊でも出そうですよココぉ・・・」
財前が、しかめっ面で辺りをキョロキョロ見渡しながら猫背で歩く。
「その幽霊を、とっ捕まえんのが貴様の仕事だろうが」
言いながら鬼蔵が、傾いたドアを蹴り開ける。
「おー居た居た」
標的は部屋の隅で瓦礫にまぎれて元気にモヤモヤしていた。
後ろを歩く財前の腕を強引に引っ張り部屋の中に押し出すと、またニヤリと笑って財前にささやきかけた。
「早よ鎌出せやウスノロ」
今度は騙されないとばかりに鬼蔵に背を向けて、プイッと顔を横に向けた財前。
「イイから早よ出せや!コンクリート詰めにして三途の川に沈めんぞゴラ」
財前の背中を蹴り倒し、今度はうつ伏せに倒される。
財前はグスンと泣きながらしぶしぶ鎌を取り出すのだった。
本日2度目のジャイアントスイング。今度はうつ伏せバージョンだ!
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