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「いつまでニヤニヤしとんじゃクソガキが」
「いやぁ、あんまり褒められたコトないからボクぅ。グフッグフフフフ」
心ここにあらず、有頂天の財前を引き連れて今日も標的めがけて飛び回った。
昨日は廃墟を出てから10体ほどの標的を斬った。1体斬る毎に財前の自信は深まり、手際が良くなっていく。
「ふんふふーん♪ふーん♪」
今日はもう鼻唄混じりでの仕事ぶり。スタミナに難のある財前は、標的の近くまで歩いて接近すると、鎌を両手に握り、得意の瞬足で『斬る!』と思った瞬間には標的を斬っている。瞬足を使うのはほんの数メートルで、標的に逃げる隙を与えない。
それから財前は、毎日20体近い標的をコンスタントに斬り続けていた。
鬼蔵も文句を言えない仕事ぶりだが、鬼蔵の心には何故か不安が降り積もっていくのである。
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