夢うつつ

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「ふんふふーん♪ふーん♪」 今日も鼻唄混じりに標的に接近すると、瞬間移動のように標的を通りすぎる。ポーチから手際よく水筒の様なポットを取り出すと、標的を吸い込みフタを閉める。 「はい一丁あがりー♪」 現場に到着して10分も経っていない。 「もう、移動すんの面倒くさいなぁ。いっぺんに10体くらいブゥワーって居たら楽なんだけどなぁ。ねぇ鬼蔵さーん」 財前がヘラヘラしながら鬼蔵に笑って見せた。 鬼蔵は、不安がどうやら当たったらしいコトを感じた。 「貴様、標的を斬るのは楽しいか?」 「もちろん!今のボクに斬れない標的はない!なんてねぇ。えへへ」 鬼蔵は一つため息を吐き出しす。 「貴様の『楽しい』の先には何があるんだろうな」 財前はキョトンと鬼蔵を見つめた。
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