爺ふたたび

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「さて、万が一に備えて加賀美様にも応援を要請しておきますか」 走り去って行く鬼蔵の背中を見送りながら、呟いて湯持に視線を移した。 「お久しぶりでございます。湯持様お元気そうで何よりでございます」 磯部が笑顔でお辞儀をしたので、湯持もタバコを消して応える。 「ソベッチも元気そうでなによりー。それより、ほら忙しそうだから気にしないで早く行ってあげなよ。カガミンによろしくね」 「お気遣いありがたき幸せ。それでは、申し訳ございませんが、お言葉に甘えて失礼させていただきます」 深々と頭を下げた磯部は、きびすを返して颯爽と退出して行った。
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