7人が本棚に入れています
本棚に追加
/65ページ
「おほぉー大漁大漁!」
ほくほくしながら魂をポットに取り込む。
樹海の入り口辺りから標的がうようよしていたため、ポットは8割ほどもいっぱいになっていた。
「しっかし、標的の森(勝手に命名)は標的の宝庫だなぁ。あ、もう1匹見ぃつけたっ」
その標的は木に隠れてモヤモヤしている。
鼻唄混じりにフンフン接近し、一瞬にして走り抜けようとしたその時。
「うわっつ!」
大木の根っこに足を引っかけてつまずいてしまったのだ。
標的はシュシュシュシュンと逃げて行ったが、スピード自慢の財前は、唇をペロリと一舐めして追いかけた。
「ボクから逃げ切れる標的なんて存在しない!」
鬼蔵の言葉は財前に自信を与えたが、同時に過信にもなっている。
最初のコメントを投稿しよう!