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閻魔様は悩んでいた。ソバージュヘアーをかきむしり、眉間にシワを寄せながら、机の上の辞令を睨み付けながら悩んでいた。
無意識にペン先で机を何度もトントン叩くから、知らないうちに机の上はボロボロだ。
不意に顔を上げて頭の上で手を組み、大きく伸びをすると、派手なボディコンスーツは閻魔のボディーラインを写し出し、気恥ずかしい鬼たちが目を逸らす。
そして、ムスッとした顔の真っ赤な唇から発せられた言葉は
「赤鬼、ちょっとキナ呼んできて」
用事を申し遣った赤鬼は、すっ飛んで教育施設へ走って行って、間もなくキナ教官を連れて帰ってきた。
「久しぶりね」
「ああ、それで、用件とは?」
閻魔の挨拶を聞くや、素っ気なく世間話をする隙すら与えてくれないのはキナらしい。
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