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いじめられたことなんてなかったのに。
何で何だろう。
いきなり教室に入ると冷たい目をされた。
小学四年生の秋だった。
夏休み前はそんなことなかった。
みんなは私から目をそらし始めた。
主犯格っぽい女の子が陰で笑っている。
悲しかった。
自分が認められなくて、自分という存在が無いように扱われていて、悲しかった。
「おいAらいさん、あんたさ偉い子ぶってるならさ全部やりなよ。これ、ぜーんぶ。」
私に渡されたのは、みんなの宿題だった。
私はこれ以上いじめられたくなかった。
素直に受け取って、全部解いた。
そして、先生にそれが知られて怒られたのは、私だった。
担任の先生が、新任の先生で相談しにくかった。
だから、いじめられたままだった。
唯一心を打ち明けられるのが、私と同じくいじめられていた女の子、聖子ちゃんだ。
聖子ちゃんも、同じ人たちにいじめられていたらしい。
同じ思いを持っていたからこそ仲良くなれた。
私はそんな気がした。
そして、もっと分かり合える気すらきた。
けれど、その期待は裏切られた。
聖子ちゃんが、私たち話さなくなった。
そして、私はまた一人ぼっちに戻ってしまったのだった。
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