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新千歳空港に降り立ったのが一昨日、バスで札幌まで移動して、駅近のレンタカー屋で余っていたボロのハッチバックを借りた。
「タンチョウはどこに行ったら会えるか」と尋ねたところ、東に向かえ、というありがたいお言葉を頂戴したので、あとはひたすら東へと突き進んでいる。「またこの手の客か」と言葉無くして語った彼の生暖かい笑顔が気になったと言えば気になった。
タンチョウは主に道東の湿地帯に住むという。
ツルと言えば渡り鳥のイメージだが、ここのは渡らない留鳥らしい。かと思えば、全く渡らないわけでもないそうで、朝鮮半島や大陸まで行き来するのも中にはいるとか。タンチョウもまた己の欲するところを求めて旅に出るのだろうか。急に親近感が湧いてきた。
また、タンチョウは夫婦の絆が強いことでも有名らしい。
つがいになると一方が死ぬまで同じ相手と添い遂げるという。晩飯のオカズ感覚で隠れてつまみ食いした挙句、さっさと男を乗り換えて消えるような人間の女とは雲泥の差だ。小さな出会いに歳月を積み重ねて生涯の愛とする、タンチョウのごとき情け深い女性が人間界にもいないものだろうか。
三泊目にして釧路に行き着いた。
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