不愉快なモーニングMiss

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私には強力な味方がいる。 康宏の母親だ。 なにせ光浦家とは私が赤ん坊の頃からの付き合いである。 おばさんは私を娘のようにかわいがってくれているし、将来的には私に嫁に来てほしいと思ってくれている。 ゴールデンウィークの序盤にバイトの連休が取れた私は、実家に帰ったタイミングでおばさんに連絡をして、私の実家から徒歩10秒のところにある光浦家に乗り込んだ。 「こんにちは、おばさん。久しぶり」 「郁美ちゃん、いらっしゃい。久しぶりっていっても、お正月ぶりね。バイトだなんだって言って帰ってこないヤスより、郁美ちゃんとの方がずっと頻繁に会ってるわよ」 おばさんは見るからにメンテの行き届いた、美しい中年女性だ。 年相応にふくよかで、張りと気品がある。 康宏は誰がどう見てもおばさん似だ。 おじさんに似たのは天パの髪質くらいだと思う。 おばさんはセミロングのウェーブヘアだが、天然ではなくパーマをかけている。 「ヤスくん、全然帰ってこないんだ?」 「そうなのよ。まったく、なにがそんなに忙しいのかしら」 おばさんは光浦家の末っ子である康宏を溺愛……という程ではないが、二十歳を超えた今でもとてもかわいがっている。 康宏はそれを鬱陶しく思って実家に帰りたがらないが、そろそろ一度帰ってあげた方がいいと思う。
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