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翌日、私は午後2時過ぎにバイトを上がると、いったんひとり暮らしをしている自宅アパートに帰った。
シャワーを浴び、丁寧にヘアメイクを施す。
服も、今いちばんいいものをチョイスした。
最後にお気に入りの香水をワンプッシュ。
これから対峙する女に負けたくないから、自分をベストの状態に仕上げたかった。
つい気合いを入れすぎて、準備を終えた頃にはもう夕方と言える時間になっていた。
康宏が住むマンションはうちから歩いて15分ほどのところにある。
暖色のダウンライトで上品に照らされたエントランスに入ると、正面にオートロックのパネルがある。
私は迷いなく『701』と入力し、いったん深呼吸してから『呼出』のボタンを押した……。
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