ユメヨミ記

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毎日、兄の弁当を作るのは、こうしたことが肝心なのだと先生に云われたからであって、断じて兄の為ではないのだから、礼を云われるのは癪なのだ。 ◇ コダマに一緒に帰ろうと云われて門の前で待っていると、いつまで経ってもやって来ない。どうしたのかと思って教室に見に行くと、チョウテンたちと帰ったと云う。裏の門から行ったようだ。仕方無く一人で帰る。 ◇ またもや先生の家で迷子になる。この家は私に意地悪だ。何処までも続く廊下に途方に暮れていると、背中を勁く突かれて転んでしまう。振り返ると姿無き大勢の笑い声に包まれる。口惜しくて、「卑怯者!」と、叫ぶと、更にどっと笑われた。
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